ヤツらは町へ!哀愁のツインリードギター「Jailbreak/Thin Lizzy」



ツインリードギタースタイルの確立とバンドの快進撃

スコット・ゴーハムとブライアン・ロバートソンによる哀愁漂うツインリードギタースタイルを着実に確立していったThin Lizzyが1976年に発表した6thアルバム。

前作”Fighting!!”から今作にかけて本格的にロック色を強めたThin Lizzyは今作発表時にはさらに勢いを強め、QueenやRainbowの前座としてアメリカンツアーを行っていた。

人気絶頂かつ勢いも全開な今作にて、彼らは現在まで様々な形で演奏され続ける数々の名曲を残す。

 

“Jailbreak”発表時のThin lizzy

フィル・ライノット (Vo/Ba)

ブライアン・ダウニー (Dr)

スコット・ゴーハム (Gt)

ブライアン・ロバートソン (Gt)

 

青春の思い出

バンドを経験してきた者たちにとって、初めて友達と練習した曲や初めてステージで演奏した曲というものは特に思い出深い。

私にとって、今作収録の”Cowboy Song”と” The Boys Are Back in Town”(そして9thアルバム”Black Rose”のタイトルトラックの3曲)は初めてリードボーカルを取ったライブで演奏した曲であり、やはり忘れがたい。

フィル・ライノットやゲイリー・ムーア(下記のライブでカバー)の個性溢れるボーカルを初心者が真似るのは全く骨が折れたが、学生時代のそういう思い出ってのは何年か経つと大体心地よい懐かしさを伴って思い出される。そんな曲が収録された今作は、私が大学を卒業して実家を出る時に持ってきたアルバムの内の1枚だ。

 

様々な形で歌い継がれる名曲達

当時のライブからスコット・ゴーハム、ジョン・サイクスによる2000年代の再結成ライブに至るまでオープニングナンバーとして場を盛り上げてきた”Jailbreak”や、Iron maidenのブルース・ディッキンソンや元Kissのエース・フレイリーらにもカバーされている”Emerald”等、このアルバムの代表曲から話を広げていったら際限がなくなりそうだ。

そんな中でも白眉なのが、やはり”Cowboy Song”と” The Boys Are Back in Town”だろう。ライブではメドレーで演奏されており、そのメロディーからは放蕩してしつつ走り続けているような開放感や故郷を旅立ち、そして帰ってくる者の郷愁がフィル・ライノットの歌うままに伝わってくる。

ごく最近でもHR/HM×オーケストラを取り上げたプロジェクト「ROCK MEETS CLASSIC」で演奏される等、スタンダードナンバーとして各所で歌い継がれている。

 

こうしてみると6~9収録のB面が非常に濃い内容となっているが、心地よい疾走感を与える” Angel from the Coast”や爽やかなギターソロやコーラスワークを見せる” Romeo and the Lonely Girl”といった佳曲も見落とせない。

1、5、6、8、9はハードロック史上歴史的な名演である「Live and Dengerous」で今日まで語り継がれるに足る緊迫感と勢いをもって演奏されている。しかし、Thin lizzyの売りの一つである哀愁感のようなものを伴ったプレイを感じられるのは、スタジオ版の今作なのではないかと思う。

 

収録曲

1.脱獄 – “Jailbreak” – 4:01

2.エンジェル・フロム・ザ・コースト – “Angel from the Coast”  – 3:03

3.ランニング・バック – “Running Back” – 3:13

4.ロメオとロンリー・ガール – “Romeo and the Lonely Girl” – 3:55

5.勇士 – “Warriors” – 4:09

6.ヤツらは町へ – “The Boys Are Back in Town” – 4:27

7.ファイト・オア・フォール – “Fight or Fall” – 3:45

8.カウボーイ・ソング – “Cowboy Song”  – 5:16

9.エメラルド – “Emerald” – 4:03

 

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